欲望という名の列車 12/26/17

欲望という名の列車

12/26/17

シアターコクーン

Director: Philip Breen

 

大竹しのぶさんはピアフ役でシアタークリエで初めて観てから好きというか信頼、敬愛する女優さんです。カーテンコールで役を吐き出すように優美さは捨て置き深くただ身体を折り曲げ礼をする姿が未だに眼に焼きついています。私としては初めて人の演じる姿を見て演じたいという役者としての欲が自分の中で寝返りを打つような感覚を得た役者さんでした。その後演劇サークルの先輩が出演されていた新橋演舞場での三婆でまたお姿を拝見し、一幕終わりのあの自分の衣装を抱きしめ声をあげて泣く姿にまたもノックアウト。す、すきーーーというかやっぱり信用できるううーーという共感されにくそうな想いを抱きながらいつも意気揚々と機会があると大竹さんの舞台には足を運んでいます。

そんな長い前置きのあとになんですが、この舞台は鈴木杏さんと北村一輝さんに感動した覚えがあります。失礼ながら特に北村さんは映像の役者さんというイメージだったので、大竹さんと渡り合う姿に日本…!捨てたもんじゃない…!!と何様な感銘を受けました。

一言ケチつけるなら北村さんのスタンリーは人間が出来すぎていて最後のブランチにとって決定打となるあの暴力を奮う説得力に個人的には欠けました。なんていえばいいんでしょ、怒るシーンが多くある役ですが怒り方にロジックみたいなものが香るスタンリーだった。北村さんは賢い方なのではないかと思う。きっと最後の暴力の理由づけが北村さんなりの賢いスタンリーの解釈を前に出せたら違和感もなかったのが、台本通りというか往来のスタンリーと同じ動機で暴力に及んだからつまづいたのかなあー。と、他の誰もつまづいていないかもしれませんが一観客としてモヤったのをよく覚えています。

けど言い方を変えるとこんな些細なことをだらだらと書ける日本の舞台は久々に観たのでスーパーウルトラハッピー観劇体験でした。ブラボーでした。