親指の爪が凹んでいた。付け根の近く。

もういつからかも思い出せない。
とにかく気付いた時には凹んでいて、変色もなくただ横に伸びるように凹んでいた。
無意識に撫でることもあったけど特に人に気付かれることもない。私自身あまり気にしていなかった。
一人の友人が気づいたことがあった。これどうしたのー?と撫でながら聞かれた気がする。そう考えると「あれ?」と思いながら聞かずにいた人もいたのだろうな。女性は爪をよく見ていたりするし。付き合っていた人にも一度聞かれた。やはり撫でながらこれどうしたの?と。分からない、気付いたらこうなっていたと答えた。痛くも痒くも無いし。

それでも気持ちが悪いなと思って調べてみたことがあった。色々な具合の悪そうな爪の写真が並ぶ中で私の爪と同じように凹んだものはなかった。大体栄養不足とかストレスとかそんな理由が並んでいた気がする。マァいいやと閉じた。

今朝気づいたのだが、その爪が平らになっている。
どうしたことか。いつからだったのだろう。気づきもしなかった。
そんなものだよね。痒いときは痛いときは凹んでいるときは気になるのに元通りになったらそのことに気づきもしないんだ。今なんて右手だったか左手だったかも自信がないよ。長く凹んでいた間そうしていたように人差し指の腹で親指の爪を撫でてみる。
右手だった気がするね。なんだったんだろう。