身体を通り抜けて

色んな男が私の身体を通り抜けていったのだ、といった文章を読んだ記憶がある

時たま思い出すのだが身体を通り抜けていくのは何も性交渉した男だけではないよな、過去、その過去にいる自分、まわり、自分の感情、全てが私たちを通り抜け、滞り、滞る

この感覚を人と共有した記憶はないのだが
自分が実存することと向き合い目が覚めるような、恐ろしいものに対峙するような、目を見張り辺りを見渡してしまうような、そんな感覚に陥ることないだろうか

俯瞰視とでも言うのか、自分の生、個としての認識を改め、その重さと刹那性に衝撃を覚えることはないか

私はあって、その度途方に暮れてしまう